30年後

2006年12月16日
待望の『犬神家の一族』を観てきました。"リメイク"というよりは、"ディレクターズカット"といった印象の作品でした。30年後に同じ監督が同じ映画を撮る。前作が良かっただけに何をどう変えても改悪にしかならないのではないか?という疑問を持っていたのですが、そんな疑問に対する答えは、"変えないこと"だったのです。

もちろん、役者さんはほとんど前作とは変わっており、今この瞬間に旬な役者が豪華に揃えられています。でも、脚本や演出は、結構細かなところに至るまで、前作とほとんど同じ。ただ、前作で「ここはこうしておいた方が良かったなぁ」と思ったところは修正し、やや冗長だったところはカットするという手法がとられています。(その他、今の映画の規定だと厳しいのかな?といった部分もカットされています。)

つまり、(役者は変われど)前作と同じ映画をブラッシュアップし、4:3サイズだった映像をワイドスクリーンにし、音響を良くした作品が"新作『犬神家の一族』"だったわけです。こういうリメイクの仕方ってあるのかと、何か新鮮にさえ感じました。今の若い人が初めて『犬神家の一族』を見るなら、そりゃあ今回の作品を見た方が良いだろうなぁ……と素直に思えたわけで(笑)。

これを機に、また金田一耕助や横溝正史や市川崑のファンが生まれれば、それが一番良いことだよなぁ〜などとしみじみ考えつつ、映画館を後にしました。

映画の後、長女と奥さんと合流し、六本木ヒルズで買い物&食事をしてから展望台に。12月の夜景とクリスマスツリーを背景に記念写真など撮影し、1日を締めくくるのでした。美術館でやってた「ビル・ヴィオラ : はつゆめ」という展覧会ものぞいたのですが、鑑賞に時間を要するビデオアートは、長女にはやはり無理でした……。

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