42年間なりの歴史

2007年1月19日
仕事おわりで小学校の同級生に会いました。去年の夏に神戸で行われた同窓会で再会し、今度は東京でゆっくり会おうと約束していた友達。

いろいろお互いの話や同級生の話をしていると、やはり42年間生きているなりの出来事は起こっているもので、"それぞれの人生に歴史あり"って妙に納得した気分になりました。

さて、野沢尚著『魔笛』を読了。死刑が確定した犯人が、自分を逮捕した警官から"自分がいかにして逮捕されるにいたったか"という捜査側の経過をヒアリングし、そこに自分側の経過を重ねて、事件の分析を試みた……という形式をとった長編小説である。

客観的に事件を描いているテキストは、しかしながら犯人が自ら語り部として書いているものであるという非常に難しい試みは、成功しているのか否か判断に困るところですが、すべてを客観視点にして捜査側の心情も犯人側の心情も描かれるよりは、少なくとも良い結果を生んでいるのではないかと思う。

ま、表現の問題より、やはりそこに描かれる物語の方が大切だしね。なかなか考えさせられる物語でした。

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