勝手にゾンビ映画祭♪
2007年11月4日ってなわけで、六本木ヒルズで観てきました、ゾンビ映画3本立て。とはいっても、今回のラインナップはなかなか素敵でありまして、単に「ホラー映画」を一晩中観るって感じじゃないのですよね。組み合わせの妙だなぁ……と感心した3本立てでした。
1本目は、カナダのアンドリュー・カリー監督が撮った『ゾンビーノ』(←なんでこの邦題なの!? 原題は「Fido」といって少年がゾンビにつけた名前)。特殊な首輪を付けたゾンビは「人間を食べたい」という欲求を感じなくなり、雑用等を任せられるペットとなる。土色の顔をしたゾンビが首輪をされて、のどかな街で芝刈りなんかしちゃってるわけだ(笑)。
とは言ってもゾンビはゾンビ。首輪が故障すれば、たちどころに人間を食べようと襲ってくる! ある日、ひょんなことからペットのゾンビ"ファイド"がご近所の人を食べてしまい、街は大騒ぎに……。
といった事件が起こっても、「一転ホラーに!」なんて展開にはならず、最後までほのぼのとユーモラスな作品になっている。ちょっとそれって道徳的にどうよ!?って思う主人公達の行動もあるが、全体的に明るく楽しめる映画でした。さほど怖い場面もないし、かなりオリジナリティの高いコメディで、そんな中にも鋭い社会風刺なんか入ってたりして、結構お薦めしたい感じ。現在、劇場公開中です。
2本目は、ジェフ・ブロードストリート監督作『超立体映画 ゾンビ3D』(←って、この邦題も……)。原題は『Night Of The LivingDead 3D』ということで、あのゾンビ映画の代表であるジョージ・A・ロメロ監督のシリーズ第1作をベースに、「3D映画といえばおバカ映画」ってお約束を忘れることなく(←意味もなくいろんなものが客席に向けて差し出されるなど)作られた作品。
すごいのは、昔懐かしの赤・青セロファンの3Dメガネで、最初から最後まで80分の映画を観ること。80分ずっとだよ!(苦笑) いやはや、久々に凄い体験です。ま、改めて今だからおかしいし、それ故に『ゾンビ3D』っていうアトラクションちっくな邦題もまぁわからなくもないが。3本立ての真ん中にこれがあるのは巧い配置だと思ったよ(笑)。
ただ、こんなビミョ〜な映画(←失礼!!)ながらも、オリジナルのゾンビ映画に対する愛情はキッチリ感じられる映画で、原作へのリスペクトがある上で登場人物達が何となく抜けた感じの会話をしてるのがくすぐったく感じられて、それなりに良かった。本作は、11/10から順次公開予定とか。
最後は、フアン・カルロス・フレスナディージョ監督作『28週後…』。『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督が2002年に公開したSFホラー映画の続編で、本日の3本立ての中では唯一、超シリアスな映画。
体内に入ると数秒で脳内の精神を司る部分を破壊し「凶暴性」を剥き出しにするウイルスによって、感染した人間は他の人間を襲い、噛まれた人間や血液・唾液などが体内に入った人間は即新たな感染者となってネズミ算式にウイルスが拡がっていくというお話なのだが、つまりはリアルな世界で現実に近い解釈を得た"ゾンビもの"である。
ただ、過去のゾンビものと違うのは、ウイルスが体内に入ってから発病までの速さ、感染した人間の走る速さ、それらを活かした映画全体の猛スピード感。1人感染者がいたら、アッというまにそこいらすべての人が感染者になってしまうという現代っぽい"速さ"である。
前作『28日後…』でも、この見事な設定と疾走感をクールな映像で描いて"終末感"がひしひしと身に迫るのが印象的だったが、監督が変わった2作目も、しっかりと前作のイメージを受け継ぎ、見事なスピード感があふれる乾いた映像で、人間のエゴや狂気が画面いっぱいに描かれていました。
ロードショウ公開は来年ということですが、この『28週後…』は一見の価値アリと思います。一番近い印象の映画は、先日見た『ブラディ・サンデー』(←実際に起こった「血の日曜日」事件を描いた作品)。ホラー映画というよりは、戦争やパニック状態の中で、人はどれだけ残酷になるのかをまざまざと見せつけられるような映画です。その姿はモンスターよりも恐ろしいのですが、しっかりと目を開けて最後まで見て欲しいです。
ひとつだけ残念なのは、物語の後半20分くらいがパタパタと流れるように終わってしまうこと。もうちょっと何らかの盛り上がりがあっても良かったのではないかなぁ。
と、今日は映画3本分の感想で大長編になってしまいましたが、行って良かった! ずいぶんと心に栄養をもらった「勝手にゾンビ映画祭」でした(笑)。最後に。ソンビ映画3本立てが大入り満員になってるのにはビックリしたよ……(爆)。
1本目は、カナダのアンドリュー・カリー監督が撮った『ゾンビーノ』(←なんでこの邦題なの!? 原題は「Fido」といって少年がゾンビにつけた名前)。特殊な首輪を付けたゾンビは「人間を食べたい」という欲求を感じなくなり、雑用等を任せられるペットとなる。土色の顔をしたゾンビが首輪をされて、のどかな街で芝刈りなんかしちゃってるわけだ(笑)。
とは言ってもゾンビはゾンビ。首輪が故障すれば、たちどころに人間を食べようと襲ってくる! ある日、ひょんなことからペットのゾンビ"ファイド"がご近所の人を食べてしまい、街は大騒ぎに……。
といった事件が起こっても、「一転ホラーに!」なんて展開にはならず、最後までほのぼのとユーモラスな作品になっている。ちょっとそれって道徳的にどうよ!?って思う主人公達の行動もあるが、全体的に明るく楽しめる映画でした。さほど怖い場面もないし、かなりオリジナリティの高いコメディで、そんな中にも鋭い社会風刺なんか入ってたりして、結構お薦めしたい感じ。現在、劇場公開中です。
2本目は、ジェフ・ブロードストリート監督作『超立体映画 ゾンビ3D』(←って、この邦題も……)。原題は『Night Of The LivingDead 3D』ということで、あのゾンビ映画の代表であるジョージ・A・ロメロ監督のシリーズ第1作をベースに、「3D映画といえばおバカ映画」ってお約束を忘れることなく(←意味もなくいろんなものが客席に向けて差し出されるなど)作られた作品。
すごいのは、昔懐かしの赤・青セロファンの3Dメガネで、最初から最後まで80分の映画を観ること。80分ずっとだよ!(苦笑) いやはや、久々に凄い体験です。ま、改めて今だからおかしいし、それ故に『ゾンビ3D』っていうアトラクションちっくな邦題もまぁわからなくもないが。3本立ての真ん中にこれがあるのは巧い配置だと思ったよ(笑)。
ただ、こんなビミョ〜な映画(←失礼!!)ながらも、オリジナルのゾンビ映画に対する愛情はキッチリ感じられる映画で、原作へのリスペクトがある上で登場人物達が何となく抜けた感じの会話をしてるのがくすぐったく感じられて、それなりに良かった。本作は、11/10から順次公開予定とか。
最後は、フアン・カルロス・フレスナディージョ監督作『28週後…』。『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督が2002年に公開したSFホラー映画の続編で、本日の3本立ての中では唯一、超シリアスな映画。
体内に入ると数秒で脳内の精神を司る部分を破壊し「凶暴性」を剥き出しにするウイルスによって、感染した人間は他の人間を襲い、噛まれた人間や血液・唾液などが体内に入った人間は即新たな感染者となってネズミ算式にウイルスが拡がっていくというお話なのだが、つまりはリアルな世界で現実に近い解釈を得た"ゾンビもの"である。
ただ、過去のゾンビものと違うのは、ウイルスが体内に入ってから発病までの速さ、感染した人間の走る速さ、それらを活かした映画全体の猛スピード感。1人感染者がいたら、アッというまにそこいらすべての人が感染者になってしまうという現代っぽい"速さ"である。
前作『28日後…』でも、この見事な設定と疾走感をクールな映像で描いて"終末感"がひしひしと身に迫るのが印象的だったが、監督が変わった2作目も、しっかりと前作のイメージを受け継ぎ、見事なスピード感があふれる乾いた映像で、人間のエゴや狂気が画面いっぱいに描かれていました。
ロードショウ公開は来年ということですが、この『28週後…』は一見の価値アリと思います。一番近い印象の映画は、先日見た『ブラディ・サンデー』(←実際に起こった「血の日曜日」事件を描いた作品)。ホラー映画というよりは、戦争やパニック状態の中で、人はどれだけ残酷になるのかをまざまざと見せつけられるような映画です。その姿はモンスターよりも恐ろしいのですが、しっかりと目を開けて最後まで見て欲しいです。
ひとつだけ残念なのは、物語の後半20分くらいがパタパタと流れるように終わってしまうこと。もうちょっと何らかの盛り上がりがあっても良かったのではないかなぁ。
と、今日は映画3本分の感想で大長編になってしまいましたが、行って良かった! ずいぶんと心に栄養をもらった「勝手にゾンビ映画祭」でした(笑)。最後に。ソンビ映画3本立てが大入り満員になってるのにはビックリしたよ……(爆)。
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