ミスリードの罠

2007年11月10日
東野圭吾著『むかし僕が死んだ家』を読了。某書店でオススメになってたので何げに読もうと思ったのですが。いや〜、なかなかどうして、知的好奇心をくすぐる作品で、2日で読んじゃった!

物語は一軒の家を舞台に、約1日の出来事を描く「一幕劇」のようなスタイル。幼い頃の記憶がない女性が、失われた記憶を求めてかつての恋人と訪れる"山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家"。その家に隠された"過去"とは!?

ってな話なんですが、物語の中で大事件が起こるでもないのに、読んでいて得体のしれぬ緊張感を強いられる作品で(←ちょっとだけ映画の『アザーズ』を感じさせる雰囲気……)、あらゆる描写があらゆる伏線としてラストに収斂していくのはすごい。計算され尽くした"お見事"な作品でした。

いやしかし、読み終わって改めて思ったんだけど、タイトルが巧い! というか、ちょっとだけ狡い(笑)。

未読の方には是非オススメしたい1冊です。

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