この2人の組み合わせだけは、一刻も早く観にいかなければ!! と、ティム・バートン監督&ジョニー・デップ主演の映画『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』を観てきました。

この映画は観た人によって賛否両論が出ているようですが、実際、そのような映画です。「抗いようのない愛の呪縛を描いた美しい映画」とも言えるし、「ホラー映画を見慣れた人間でさえ"ウッ"となるシーンがある映画」でもあります。

ただ、間違いなく言えるのは、独特に美しい色調。基本、白と黒と赤の3色でほとんどの画面の色を構成しています(←厳密に言えば白っぽい肌色とも言えるけど)。カラーフィルムから色を抜き取ったかのようなモノクロに近い(でも、モノクロではない)画面に大げさなまでに真っ赤な血が飛び散るとき、なんとも凄惨でなんとも悲しい"色"が観客に浴びせかけられます。

もうひとつ、この映画はミュージカルを原作としながら、ミュージカルの役者ではなく映画の役者がセリフを語るように自ら歌を歌うことで、独自の雰囲気を生み出しています。ジョニー・デップ、
ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマンをはじめとする役者が掛け合いで歌を口にするとき、そこには単に歌でもなく単にセリフでもない、なんとも強く美しいハーモニーが感じられるのです。

この2点だけは、少なくとも強烈に心に残りましたし、この映画について語るべきポイントなのではないでしょうか。でも、そういった魅力を語る前に、基本的に血を見たくない人は観ない方が良いでしょうし、東京人物達がやってることは誰をとっても酷いことばっかりと言っても間違いありません。

それでもなおこの映画を観るとき、それぞれの登場人物が自分の感情に押し流されて取る行動や、そこから生まれた制御できない状況や、すべての結果が辿りつく(ある種、美しいまでの)結末について、観客それぞれがどう受け取るか、なんですよね。

コメント