今週もいろいろありそで大変そうな一週間です。がんばるぞーっ! 明日(未来)のために!!

さて、村山由佳著『星々の舟』を読了。村山由佳の著作でこのタイトルだから、『天使の卵』みたいな甘いお話かなと思って読んだのですが……これが、なかなかヘビー級。

ひとつの家族を巡る短編集で、父親、長男、次男、長女、次女、長男の娘と、1話ごとに主人公と視点を変えながら6つの物語が語られるのですが、そのテーマがいじめ、不倫、近親相姦……と、どんどん深く重くなっていく。

しかしながら、その相当ヘビーなテーマ性と村山由佳タッチの文章(←比較的軽い筆致)のバランスが絶妙で、下手すると救いようのないお話もどんよりせずに読めてしまう上に、明快に何かが解決するわけじゃないんだけど、一条の光が差したかのような印象で物語は終幕を迎える。

「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。」……と。

読む人によってちょっと意見が分かれそうですが、全般的には良い評価を受けそうな一冊です。

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