震度0

2008年5月8日
横山秀夫著『震度0』を読了。

阪神大震災の前日にN県警警務課長が突然、姿を消した。これは事件か? 蒸発か!? 県警において人望も厚く、素晴らしく優秀な警務課長の失踪は、N県警においては大震災どころではない激震となる……というお話。

横山秀夫の警察小説はたくさん読んできたが、本作は徹底して県警内部のパワーゲームを描いた作品である。警視庁キャリア、準キャリア、地元ノンキャリアの複数の警視正の多くが、自分の利益だけを考えながら自分勝手に行動する。

そこから生まれるのは公共の利益ではなく、また警察全体のための利益ではなく、完全に個人の損益計算、足の引っ張り合いである。

そんな警察内部のドロドロした人間関係、権力闘争を500ページ弱読み続けるのは相当な苦痛で……。

今まで読んだ氏の著書の中で、最も読み進まず、後味も悪い作品となりました。

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